キャリアを諦めたくない私が初めての育休中に感じたこと
今から4年前、私は初めての育休中でした。
産休前、仕事が休みになれば時間にゆとりができて穏やかに過ごせると思っていたのですが…
それが大きな間違いだと気づいていました。
5月に出産し、数ヶ月もすると、育児以外に決まった予定がないことがつらい。
もちろん乳児の育児は忙しく、子どもが日々成長していくのは喜ばしいけれど、社会とのつながりも、自分がやったことに対する成果も、ほとんど感じられない。
乳児期に毎月ある予防接種でさえ、出かける理由になって嬉しい。
地元にいれば、同じように子育てしている友人と子ども同伴で会って話したり食事をしたりすれば、期間限定の休みを楽しめたのかもしれません。
ですが、大学で東京に出てきた私には近くにそんな友人はいませんでした。
当時私は29歳だったのですが、大学院を出ていることもあり、大学時代の友人たちはまだ独身でバリバリ働いている人がほとんどでした。
子どもを産み育てることは尊いこととわかってはいても、自分の仕事に没頭する彼女たちが輝いて見えました。
自分も、少し前までは受験や仕事で目に見える成果に向けて取り組んできたのに、こんなところで足踏みしてしまっている…と。
そんな自分をさらけ出せばよかったのかもしれません。
けれど、子どもを連れて行った児童館などで知り合ったママたちは、子育てに生きがいを感じているように見え、そんな気持ちを話すこともできませんでした。
社会から取り残されたような孤独感や、お金を稼いでいないことに対する劣等感、こうしている間にどんどん仕事で遅れをとってしまうという焦りで、一日も早く復職したいと思っていました。
一方、慣れない育児に不安でいっぱいで、少しでも気になることがあると、子どもの将来に悪影響があるのではないかと思っていました。
夫は同業者でもあり、なぜ私だけがこんな思いをしなければならないのか、私の仕事は夫の仕事より価値がないのか、などと考えると、夫への思いやりも薄れ、衝突することが増えました。
焦りから、育休中に仕事にかかわる資格をとったりもしましたが、早く復職したいという思いは消えませんでした。
なんとか、子どもが1歳になる直前の4月には保育園が決まり、復職することができました。
生活の急激な変化に、穏やかとは正反対の日々を過ごしました。
後になって同僚などと話をしていると、必ずしも私だけが感じていたことでもないことがわかるのですが、そのときには純粋に育児を楽しめない自分にも罪悪感を覚えました。
多くの女性は女性であるということで、半ば強制的に家庭内で育児の主担当になり、育休で一度キャリアを中断することになります。
男性だったらよかったのに、と思うこともあるかもしれません(実際、私は何度も思いました)が、一度仕事から距離を置くことは、自分のキャリアを見つめなおすチャンスでもあると思います。
今日は、真面目で優秀な女性たちが、育児という急激な環境の変化で孤独感を感じることが少しでもなくなればいいと、私の経験談をお話ししました。
約2年後の2回目の育休では、1回目の苦い経験も踏まえて、圧倒的に楽しい日々を過ごすことができました。
次回はこちらを紹介します。